8月31日(日)、株式会社ディー・エヌ・エー 横浜オフィスにて「dotFes2025 YOKOHAMA」(主催=dotFes2025 YOKOHAMA運営委員会、運営共催=株式会社クスール、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社マイナビ出版)が開催されました。
「dotFes」は、Webクリエイティブのためのデザインとアイデアに満ちた、1日限りのコミュニケーションイベント。14回目の開催となる2025年は、株式会社ワン・パブリッシングの取締役社長 松井謙介さんやEXPO2025 大阪・関西万博のデザインシステムを手掛けた株式会社VISIONsの引地耕太さん、日本デザインセンターの有馬トモユキさんらが登場し、大いに盛り上がりを見せました。イベントレポートでは、トークセッションの一つを中心にご紹介します。
デザイナーの悩めるキャリアを田渕将吾さん、久田歩さんが語る 自らの手でキャリアを描く重要性

「受託制作/事業会社を二項対立にしない デザイナーのマインドとキャリア」では、デザインメディア「designing」の編集長・小山和之さんをファシリテーターに迎え、ともにWeb制作会社と事業会社での職歴があるビジョナル株式会社/S5 Studiosの田渕将吾さんと株式会社ディー・エヌ・エーの久田歩さんが登壇。
各々が学生時代から現在までのモチベーショングラフを作成し、これまでのキャリアについて細かいエピソードを交えながら振り返ることでセッションは進みます。

一般的に、Web制作会社は業務量が多いもののその分成長につながる一方で、事業会社は自社の業務でそんなに業務量が多いわけではないため成長速度が落ちやすいと言われるなど、なにかと比較されがちな両者。どちらにも籍を置いたことのある田渕さんと久田さんは、実際どのようにキャリアを描いてきたのでしょうか。
実は久田さんご自身、Web制作会社から事業会社へ転職をする際に“成長できるかどうか”がもっとも不安だったとか。そこで、当時の上司に相談しところ、「どの会社に所属するかは関係ない。その会社に向き合ってどうしたら成長できるかを考えていけばよい」と伝えられたとのこと。久田さんは「制作会社や事業会社を選ぶ基準として、成長という観点は必要ない」と新たな気付きを得たと言います。

また、これまでのキャリアで大変だったこと、そしてそれをどのように乗り越えたかについても赤裸々に語ってくれました。
田渕さんは、Web制作会社で忙しくしていた頃でも、同年代のデザイナーによるコミュニティへ積極的に参加していたことや、気になる作品をSNSで投稿しているデザイナーにコンタクトを取るなど積極的に行動していたというエピソードを披露。Web制作会社の先輩に年上のデザイナーさんを紹介してもらっても、関係性を深めていくのが難しかったことから、同世代で同じ視座や視野を持つ人たちとのコミュニケーションを積極的に取った方がより自分の糧になると思ったそう。実際、同世代のデザイナーから「田渕さんの作品を見たよ」と声を掛けられたことによってかなり励まされたことがあったと言います。
セッション終盤にはキャリアの築き方に悩んでいるデザイナーに対して、お二人からメッセージもありました。田渕さんは「Web制作会社と事業会社は、学べる領域が全く異なるが、学んだことはどちらにも活きてくる。自分の道を信じて進んでほしい」と、久田さんは「Web制作会社と事業会社、どちらを選んでも今後は一歩引いた視点が必要になってくる。自分の職種を分析し、Web制作会社や事業会社との違いを見つけて、積極的に吸収していくことがポイント」と、それぞれエールを送りました。
個性的なエキシビションやタメになるワークショップなども
そのほか、株式会社Whateverや株式会社博展らによるエキシビジョン、「AIエージェントワークショップ速度と品質を意識して使うCursorやClaude Code」「自分のアイデアをサービスにしてみようFigmaで始めるUXデザイン入門ワークショップ」といったワークショップなども行われました。


「Swing Scan」というタイトルで、AIが“専属コーチ”となり、参加者のフォームをリアルタイムで解析し、プロ選手との比較をしてくれるもの
詳細なイベントレポートは、10月18日(土)に発売予定の『Web Designing』2025年12月号をぜひチェックしてください。
dotFes2025 YOKOHAMA:https://www.dotfes.jp/2025yokohama/
(写真=山田秀隆)
