将棋世界「それも一局」制作秘話 矢口亨×小髙佐季子 トークイベント 開催レポート

2025年6月8日、ジュンク堂書店池袋本店にて「それも一局」のイベントが行われました。
「それも一局」は雑誌『将棋世界』に不定期連載中の写真コーナーで、フォトグラファーの矢口亨さんが棋士、女流棋士の素顔を撮影する人気コーナーです。

イベントでは、フォトグラファーの矢口亨さんとともに、本コーナーにご出演の経験もある小髙佐季子女流初段をゲストにお呼びして、これまでモデルとして登場いただいた棋士の魅力や、誌面の制作秘話などについてお話しいただきました。

イベントの様子。右から小髙佐季子女流初段、矢口亨氏、會場健大(担当編集)
小髙佐季子女流初段がお気に入りだと語る和田あき女流二段、和田はな女流1級の写真

小髙佐季子女流初段が特に印象に残っている回として挙げたのは、和田あき女流二段、和田はな女流1級の姉妹が登場した回。この回が掲載された月にコーナー出演のオファーがあり、こんなにきれいに撮ってもらえるのなら、と出演を決めた経緯もあったそうです。
どうやってこのような表情を引き出したのか、と小髙女流初段が質問する一幕もありました。

佐々木海法女流初段の回。この笑顔の理由は……?

佐々木海法女流初段が登場した回では、井の頭公園のボートで笑い転げる佐々木海法女流初段の写真が。矢口さんからこの写真の裏話が語られます。
「このとき、僕と會場さんが別のボートに乗って並走して撮っていたんですが、必死にボートを漕いでもなかなか思うように進まなくて。そんなおじさん二人を見て大笑いしているところです」
このエピソードには小髙女流初段も大笑い。
このようなお話をはじめとして、矢口さんから語られる制作秘話からは、棋士の個性に加えて、さまざまなシチュエーションや偶然的な要素が切り取られる写真という芸術の奥深さがうかがえました。

ライブ撮影に照れる二人

イベントの後半では、矢口亨さんが小髙女流初段を撮影する様子をライブでお届けしました。カメラマンのみならずお客さまからの視線も注がれる小髙女流初段も、撮影する様子をさらに撮影される矢口さんも、普段と違う状況に苦戦しながらとなりましたが、ポートレート写真を撮る際の簡単なコツや、モデルへの声かけの仕方などをレクチャーし、お客さまからは貴重なシーンを見ることができたと満足の声が聞かれました。

最後に、写真を撮るうえでの秘訣をフロアから質問された矢口さんは、
「写真を撮るということは、相手を肯定すること」だと答えました。
技術ももちろんのこと、被写体をそのままに受け止め、またありのままの相手を引き出すためのコミュニケーションが重要だということがよくわかりました。
矢口さんの仕事の流儀を小髙女流初段にうまく引き出していただいた素敵なイベントとなりました。

イベント中の撮影タイムで実際に撮られた写真。(撮影:矢口亨)

トークイベントはアーカイブ配信も販売していますので、行けなかった方もぜひチェックしてみてください。
●丸善ジュンク堂オンラインイベント
https://online.maruzenjunkudo.co.jp/products/j70019-250608
※配信チケット販売:2025年6月23日 12:00まで
※アーカイブ配信:2025年6月23日 23:59まで

(文:會場 健大)

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