株式会社マイナビ出版(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:角竹輝紀)は、1月24日(土)、グランフロント大阪にて書籍『デザインはヒアリングからはじまる』出版記念セミナー&トークショーを開催。前半は、著者・佐野五月さんのヒアリング術に関するセミナー、そして後半は仕事運専門占い師・宮田シロクさんをゲストに迎え、実際の制作事例を例に挙げながらヒアリングの重要性について語りました。
クライアントをデザイナーにしない
佐野さんは、デザイナーとして働くうえで「クライアントとともに情報をつくっていくこと」が大事だと言います。クライアントは、どのようなデザインがいいのか、要望などの情報がはっきりとしているケースは多くありません。セミナーの中では、医者と患者を例に挙げ、腹痛で来院した患者に対して「どの薬を飲みたいか」などを問うような医者は信頼しづらいのではないかと指摘。一方で、デザイナーはクライアントに対し「どのような色にしたいか」と聞いてしまうことがあるのではないかと会場に問いかけると、参加者からは「なるほど」と納得した声も上がりました。デザイナーはクライアントの要望をつくりあげる段階から支援することで、より良い成果につながるとアドバイスしました。

探る・擦り合わせる・明確にするの3ステップを意識
ヒアリングにおいて重要なのは、「探る」「擦り合わせる」「明確にする」の3ステップ。これは、書籍の中にも解説がありますが、セミナーでは、このステップについて、具体例を挙げながら説明してくれました。
第1ステップの「探る」とはなにか? たとえば、上司から「この文字をもっと目立たせてほしい」と言われた際、言われたとおりに作業をするのではなく、上司の言葉の裏に隠れている本当の要望を探ることを指します。第2ステップの「擦り合わせる」は、上司の真意を探って出てきた情報を整理すること。第3ステップの「明確にする」では、「目立たせたいというのは、フォントの大きさのことですね。対応します」と自分が行う次の作業を明確にすること。この3ステップを何度も繰り返すことで、上司の曖昧な指示に対し、適切に応えることができるようになると言います。

何気ない会話の中のキーワードを聞き逃さない
後半は、宮田シロクさんを迎えて、佐野さんが過去に携わった宮田さんの名刺やサービスのロゴデザインに関する裏話を交えながら、佐野さんがヒアリングの際に大切にしていることを語りました。佐野さんは、ヒアリング時には、かしこまった質問ではなく、クライアントとの何気ない会話の中からキーワードを汲み取り、そのキーワードをデザインに落とし込むようにしているとのこと。また、名刺制作の際、オンラインでのみのやり取りだったことから、紙や加工を選定する際には、宮田さんに動画で質感などを伝えるなど、工夫して進めたそうです。こうした丁寧なヒアリングが、案件の満足度や信頼関係にもつながっていくのだと実感したお話でした。

最後に、参加者からの質疑応答では、ヒアリングのやり方やキャリアに関する悩みなどが多く出てきました。参加者のデザイナーから「SNSでの発信が得意ではなくなかなかSNS経由でお仕事を獲得できない」という悩みに対し、宮田さんは、西洋占星術上の分類上のカテゴリーを提示し、「SNSではなくてリアルな関係性でお仕事をつないでいく人なのではないか」と指摘。この回答に対し、参加者は「まさにその通りかもしれません」と驚き、会場からはどよめきが。時間いっぱいまで質問が止まらず、内容の濃いイベントとなりました。
書誌情報

書名:デザインはヒアリングからはじまる
著作者名:佐野五月(でざいん姉さん)
書籍:2,497円(税込)
電子版:2,497円(税込)
判型:A5
ページ数:272ページ
ISBN:978-4-8399-88067
発売日:2025年11月28日
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4839988064
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